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人材育成を成功させる3つの鍵|キャリアコンサルティング・OJT・OFFJTの違いを社労士が解説

なぜ今、戦略的な「人材育成」が必要不可欠なのか?

「なかなか良い人材を採用できない」「せっかく採用したのに、すぐに辞めてしまう」 多くの中小企業経営者様や人事担当者様が、このような「人材」に関する悩みを抱えています。深刻な人手不足が叫ばれる現代において、人材の採用と同じくらい、いやそれ以上に重要になっているのが「人材育成」と「人材の定着」です。

従業員が成長を実感できず、将来のキャリアパスを描けない企業は、残念ながら優秀な人材から選ばれにくくなります。逆に、従業員一人ひとりの成長を真剣に考え、戦略的な人材育成に取り組む企業は、従業員のエンゲージメントを高め、生産性を向上させ、ひいては企業の持続的な成長を実現することができます。

しかし、「人材育成が重要だとは分かっているが、具体的に何をすれば良いのか分からない」という声も少なくありません。

そこで本記事では、人材育成の代表的な手法である「キャリアコンサルティング」「OJT」「OFFJT」という3つの鍵に焦点を当て、それぞれの役割と違い、そして効果的に組み合わせる方法を、専門家である社会保険労務士の視点から分かりやすく解説します。

さらに、多くの企業が見落としがちな「人材開発支援助成金」を活用し、コストを抑えながら人材育成を加速させる秘訣もお伝えします。この記事を読めば、貴社に最適な人材育成の仕組みを構築するための、具体的なヒントが見つかるはずです。

 

第1章:キャリアコンサルティング(キャリコン)とは?従業員の自律的な成長を促す鍵

 

「キャリアコンサルティング(キャリコン)」と聞くと、学生の就職支援や個人の転職相談をイメージする方が多いかもしれません。しかし、企業内で行うキャリアコンサルティングは、従業員のキャリアに関する悩みを聞くだけでなく、企業の成長戦略と個人のキャリアプランを結びつけ、従業員の自律的な成長を促すための極めて重要なプロセスです。

キャリアコンサルタントは、国家資格を持つキャリア形成支援の専門家です。従業員との1対1の面談を通じて、以下のような支援を行います。

  • 自己理解の促進: 従業員自身が持つ興味、能力、価値観などを客観的に整理し、強みや課題を明確にします。
  • キャリアプランの設計: 明確になった自己理解に基づき、従業員がイキイキと働けるような中長期的なキャリア目標の設定を支援します。
  • 具体的な行動計画の策定: 設定した目標を達成するために、どのようなスキルや知識が必要か、どのような経験を積むべきかを具体化します。

 

【利用者の感想】

「自分の強みや弱みを客観的に分析してもらい、今後のキャリアプランを考える上で非常に参考になった。」 「今まで漠然としていたキャリアの目標が明確になり、仕事へのモチベーションが向上した。」 「キャリアコンサルタントのサポートにより、自分に合った研修や資格取得の情報を得ることができた。」

 

企業がキャリアコンサルティングを導入するメリット

 

企業にとってのメリットは、従業員の満足度向上だけに留まりません。

  1. 離職率の低下と人材定着: 企業が自分のキャリアを真剣に考えてくれていると感じることで、従業員のエンゲージメント(仕事への熱意や貢献意欲)が高まり、人材の定着に繋がります。
  2. 生産性の向上: キャリア目標が明確になることで、従業員の学習意欲やモチベーションが向上し、日々の業務におけるパフォーマンス向上に繋がります。
  3. 組織の活性化: 従業員が自律的にキャリアを考える文化が醸成されることで、変化に強い、活力のある組織風土が生まれます。

キャリアコンサルティングは、いわば人材育成の「羅針盤」です。従業員一人ひとりが進むべき方向を明確にすることで、後述するOJTやOFFJTの効果を最大化することができます。

 

第2章:OJT(On-the-Job Training)の正しい進め方と効果を最大化するポイント

 

OJT(On-the-Job Training)は、職場内訓練とも呼ばれ、実際の業務を通じて先輩や上司から直接仕事の進め方やスキルを学ぶ、最も基本的な教育方法です。多くの企業で日常的に行われていますが、その進め方次第で効果は大きく変わります。

 

OJTの有用性

 

  • 実践的なスキル習得: 実際の業務を通じて学ぶため、知識だけでなく「生きたスキル」が身につきます。
  • 効率的な教育: 業務と並行して教育を行うため、特別な研修時間を設ける必要がなく、コストを抑えられます。
  • 職場への早期適応: 業務を通じて職場の人間関係や独自のルールを自然に学ぶことができ、新入社員や異動者が早く組織に馴染む助けとなります。

 

【利用者の感想】

「先輩の指導を受けながら業務を覚えることで、実践的なスキルが身についた。」 「業務と並行して教育を受けるため、効率的に仕事を覚えることができた。」 「職場でのコミュニケーションが活発になり、チームワークが向上した。」

 

「放置」になっていないか?OJTを成功させる3つのポイント

 

一方で、OJTが「見て覚えろ」というような、単なる「放置」になってしまっているケースも散見されます。効果的なOJTを実施するためには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. 計画的な指導計画(OJT計画書)の作成: 誰が、いつまでに、何を、どのレベルまで教えるのかを具体的に計画します。「OJT計画書」を作成し、指導者と育成対象者で共有することで、指導の抜け漏れやバラつきを防ぎます。
  2. 指導者(トレーナー)への教育: 「仕事ができること」と「教えるのが上手いこと」は別のスキルです。指導者となる社員に対して、教え方の基本やフィードバックの方法などを事前に研修することが、OJTの質を大きく左右します。
  3. 定期的なフィードバックと面談: 「やりっぱなし」にせず、定期的に進捗を確認し、フィードバックを行う場を設けます。育成対象者の不安を解消し、モチベーションを維持するとともに、計画の修正が必要かどうかを判断します。

OJTは、企業の労務管理の一環として、計画的に運用することで初めてその真価を発揮するのです。

 

第3章:OFFJT(Off-the-Job Training)で専門知識と新たな視点を獲得する

 

OFFJT(Off-the-Job Training)は、職場外訓練とも呼ばれ、通常の業務から離れて、研修やセミナーなどで体系的な知識や専門的なスキルを学ぶ教育方法です。

 

OFFJTの有用性

 

  • 体系的な知識習得: 業務に必要な基礎知識や専門知識を、断片的ではなく体系的に学ぶことができます。
  • 高度な専門スキルの習得: 日常業務では習得が難しい、特定の専門スキル(例:マネジメント、マーケティング、ITスキルなど)を集中的に向上させることができます。
  • 新たな視点とモチベーションの獲得: 職場を離れて学ぶことで、新たな刺激を受け、視野が広がります。他社の参加者との交流も、モチベーション向上に繋がります。

 

【利用者の感想】

「体系的な研修を受けることで、業務に必要な知識を網羅的に習得できた。」 「普段の業務ではなかなか学ぶ機会がないスキルを、集中的に向上させることができた。」 「職場を離れて研修を受けることで、気分転換になり、モチベーションが向上した。」

 

OFFJTを成功させるためのポイント

 

OFFJTを効果的なものにするためには、「研修に行かせて終わり」にしないことが重要です。

  • 目的の明確化: なぜその研修に参加するのか、何を学んでほしいのかを、上司と本人の間ですり合わせておきます。
  • 研修後のフォローアップ: 研修で学んだことを実際の業務でどのように活かすか、報告会や実践計画の作成を通じてフォローします。
  • OJTとの連動: OFFJTで学んだ知識を、OJTを通じて実践し、定着させる仕組みを作ることで、学習効果が飛躍的に高まります。

 

第4章:最強の人材育成戦略!3つの手法の効果的な組み合わせ方

 

キャリアコンサルティング、OJT、OFFJTは、それぞれ独立したものではなく、相互に連携させることで、人材育成の効果を最大化できます。

 

【効果的な組み合わせのモデルケース】

 

  1. 【起点】キャリアコンサルティング: まずキャリアコンサルティングを実施し、従業員一人ひとりのキャリア目標と、目標達成のために必要なスキル・知識(課題)を明確にします。
  2. 【インプット】OFFJT: 明確になった課題を解決するために最適なOFFJT(外部研修、セミナー、eラーニング等)を選定し、体系的な知識や専門スキルをインプットします。
  3. 【実践・定着】OJT: OFFJTで学んだ知識やスキルを、実際の業務(OJT)の中で意識的に使っていきます。上司や先輩は、OJT計画に基づき、学んだことを実践する機会を与え、適切にフィードバックを行います。
  4. 【振り返り】キャリアコンサルティング: 一定期間が経過した後、再度キャリアコンサルティングを行い、成長の実感や新たな課題を共有し、次のキャリアプランへと繋げていきます。

このように、「キャリアコンサルティングで方向性を定め、OFFJTで学び、OJTで実践する」というサイクルを回すことが、従業員の自律的な成長と企業の業績向上を両立させる、最強の人材育成戦略と言えるでしょう。

 

第5章:人材育成への投資を加速させる!「人材開発支援助成金」の活用法

 

「人材育成の重要性は分かったが、研修にはコストがかかる…」 そうお考えの中小企業経営者様にぜひ知っていただきたいのが、厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。

これは、企業が従業員に対して、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練(OJTとOFFJTの組み合わせも含む)などを計画的に実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。

 

助成金の主な対象となる訓練

 

  • 特定訓練コース/一般訓練コース: 職務に関連した知識・技能を習得させるためのOFFJT
  • 人への投資促進コース: デジタル人材・高度人材育成、労働者の自発的な訓練、サブスクリプション型の研修サービスなどが対象
  • 事業展開等リスキリング支援コース: 新規事業の立ち上げなどに伴い、新たな分野で必要となる知識・技能を習得させるための訓練

など、非常に多岐にわたるコースが用意されています。

 

助成金活用の注意点と社労士の役割

 

ただし、これらの助成金を受給するためには、事前に訓練計画を労働局に提出し、認定を受ける必要があるなど、複雑な要件や手続きが求められます。また、どの助成金が自社に最適かを見極めるのも容易ではありません。

そこで頼りになるのが、助成金支援の専門家である社会保険労務士です。

私たち社労士法人アンフィールドのような専門家にご相談いただければ、

  • 貴社の人材育成計画に最適な助成金の提案
  • 複雑で煩雑な計画書の作成や申請手続きの代行
  • 訓練の実施から受給までの一貫したサポート が可能です。自社で全てを対応する時間と労力を考えれば、専門家への顧問契約やスポットでの依頼は、非常に有効な選択肢となります。

 

まとめ:人材育成は、企業の未来を創る最高の投資

 

本記事では、人材育成を成功に導く3つの鍵「キャリアコンサルティング」「OJT」「OFFJT」について、それぞれの役割と効果的な連携方法を解説しました。

  • キャリアコンサルティングで個と組織のベクトルを合わせ、
  • OFFJTで体系的な知識をインプットし、
  • OJTで実践を通じてスキルを定着させる。

このサイクルを、助成金という国の支援制度を賢く活用しながら回していくことが、これからの時代を勝ち抜くための重要な経営戦略です。

人材育成は、単なるコストではありません。従業員の成長を促し、人材の採用・定着を促進し、ひいては企業全体の生産性を向上させる「未来への最高の投資」です。

「自社に合った人材育成の仕組みを作りたい」 「助成金を活用して、効果的な研修を実施したい」 「社員が辞めない、魅力ある会社を創りたい」

このようなお悩みをお持ちの経営者様、人事担当者様。 まずは、人事労務のプロフェッショナルである社労士法人アンフィールドに相談してみませんか?

私たちは、お客様第一主義を掲げ、給与計算や就業規則の整備といった日常的な労務管理はもちろん、貴社の成長戦略に合わせた人材育成プランの策定から助成金の活用まで、ワンストップでサポートいたします。

初回のご相談は無料です。
どうぞお気軽にお問い合わせください。

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